「退屈な車」を愛でる祭典、英国で12年目の開催 優勝は20年乗ったボロボロのポロ
「退屈」であることが最大のウリ——そんな逆転の発想で人気を集めるイベントが英国である。
リンカンシャー州グリムストープ城で開かれた「フェスティバル・オブ・ジ・アンエクセプショナル(FOTU)」。通称「最も退屈な車の祭典」は今年で12回目。世界中から約4500人が集まり、2500台の“地味な名車”がずらりと並んだ。
夜間運転用メガネが今ドライバーに急増中ナイトライダー 出展条件は「製造から25〜50年経過していること」。今年のエントリーから50台が選ばれ、審査員には自動車誌『Autocar』編集長のスティーブ・クロプリー氏やテレビプレゼンターのジョン・ベントリー氏らそうそうたる顔ぶれが名を連ねた。
栄えある第1位に輝いたのは、ゴードン・マクニール氏の2001年式フォルクスワーゲン・ポロE。なんとこのクルマ、ゴードン氏が20年前に初めて買った愛車で、以来ずっと乗り続けている“ひと筋”の個体。傷だらけの塗装が逆に味わい深く、走行距離は17万6000マイル(約28万3000km)に達する。
第2位はマット・スウィン氏の1992年式トヨタ・プレビア。バンドの機材運搬に酷使されているが、マット氏は徹底的にメンテナンス。購入時にシート下から出てきた90年代の駄菓子の包み紙やレシートなどの“当時のゴミ”をわざわざ額縁に入れて飾るほどの愛着ぶりだ。
第3位はジェイク・セドン氏の2001年式フォード・フォーカス。元は祖父の車で、父親がレストアした思い出の一台。家族写真と一緒に展示され、審査員からは「コンディションと家族の絆」が高く評価された。
主催は保険会社ヘガティ。同社のマーク・ローパー氏は「毎年『もう大きくならないだろう』と思っていたのに、今年も過去最高の盛り上がり。世界中から来た4500人の情熱に感謝したい」とコメントしている。
ちなみに他にも、1991年式フォードP100、2000年式キア・クラルスワゴン、1986年式シトロエン・アクセル、1982年式フィアット127、1994年式ホンダ・シビック・バリなど、思わず「懐かしい!」と叫びたくなるような顔ぶれが特別賞を受賞。
「新しい」「速い」「カッコいい」がもてはやされる世の中にあえて逆行するこのお祭り、日本でもやってほしいところだ。だって、誰もが最初に乗った“ボロいけど愛着のある一台”には、きっと物語がある。
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