地震から1時間20分後の爆発、イオンモール熊本で何が起きたのか
熊本地震の直後、熊本市の「イオンモール熊本」で起きた爆発事故。3人の死亡が確認され、イオンの吉田社長が会見で謝罪するなど、大きな波紋を呼んでいる。
問題は、地震発生から爆発まで「約1時間20分」の空白。この間、何が起きていたのか。
これは高圧洗浄機と同等の強さで、電力不要BlastPro 東京消防庁の特別救助隊出身で、防災に詳しい田中章さんによると、爆発の原因はほぼ間違いなくLPガス。大型商業施設では、飲食店の厨房やガスヒートポンプ式エアコンなどでLPガスが使われている。地震で配管が損傷し、ガスが少しずつ漏れ始めたとみられる。
ガスは濃度が薄すぎても濃すぎても爆発しない。田中さんは「ガスが一定の範囲に達するまで時間がかかり、そこに静電気やスイッチの火花が入った」と分析。つまり、1時間かけてじわじわと爆発可能な濃度に達し、何かの拍子に引火したというわけだ。
通常、こうした施設には防災センターがあり、ガス漏れ警報器が鳴れば自動でガスを止める弁が働く。さらに手動で元栓を閉められる仕組みもある。しかし、地震でそれらが機能しなかった可能性が高い。
爆発の威力は凄まじく、駐車場のトラックに穴が開くほど。建物内部では、壁よりも弱いガラス窓などに向かって爆風が走り、局所的に激しい被害が出た。内部映像では、通路や店舗にがれきが散乱する様子が確認されている。
イオン側は地震から30分で客と従業員を避難させたと発表。亡くなった3人はいずれも専門店の従業員で、爆発した場所には飲食店はなかったという。社内ルールでは「一度屋外避難したら館内に入らない」と決まっていたが、なぜ犠牲者が出たのか。ガス漏れの兆候に気づき、戻って確認しようとしたのか、それとも別の理由か。
「安全装置が地震で壊れた」「避難後にガス漏れが進行した」――空白の1時間を埋める手がかりは、まだ断片的だ。消防の正式な見解が出るまで、真相は闇の中。商業施設のガス管理や地震対策に、一石を投じる事故になりそうだ。
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