28年かけて徒歩でチリから故郷へ…あと一歩でドーバー海峡が壁に
28年。それだけの年月をかけて、ひたすら歩き続けてきた男がいる。元落下傘兵のカール・ブッシュビーさん(57)は1998年にチリを出発し、ついにベルギーまで到達。あとはイギリスの故郷ハルに帰るだけ…というところで、英語圏メディアが「まさかの展開」と報じている。
問題はドーバー海峡だ。カールさんは「旅のルール」として、車や電車、飛行機などの乗り物を一切使わないと決めている。つまり、イギリスに渡るには泳ぐか、歩いて渡れるルートを探すしかない。まず彼はユーロトンネル(英仏海峡トンネル)の管理会社に「歩かせてくれ」と直談判したが、見事に却下。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon 残された選択肢は泳ぎのみ。しかしここでフランス当局が立ちはだかる。なんとフランス側は「ドーバー海峡はフランスからイギリスへ泳ぐ方向しか認めていない」というルールがあるらしい。カールさんは「フランス沿岸警備隊と話し合っている」とコメントしているが、状況は芳しくない。
ただ、カールさんは泳ぐのが大の苦手。過去にベーリング海峡(58マイル)を歩いて渡ったり、2024年にはカスピ海を170マイル以上も31日かけて泳いだ実績があるものの、「泳ぎは好きじゃない。できれば二度と考えたくない」と本音を漏らす。それでも10月にはサポートボートを確保し、「泳ぎきるのに2〜3日かかるだろう」と覚悟を決めている。
この壮大な旅の始まりは、軍隊時代に地図に大ざっぱなルートを描いたこと。同僚に「無理だ」と言われたことで逆に火がつき、「乗り物禁止」「故郷に帰るまでイギリスに戻らない」というルールを自らに課した。全長約3万6000マイル(約5万8000キロ)の道のりを、当初は12年で完走するつもりだったが、現実は甘くなかった。
ダリエン峡谷では無法者から逃げ回り、ロシアでは不法入国で拘束、パナマでは18日間も刑務所に入れられた。2003年にはトレーラーが盗まれ、1ヶ月のロス。メキシコではビザ問題で足止めを食らい、まさに波乱万丈。それでも彼は歩き続け、今はフランスでの泳ぎの準備を進めている。
「怒りはない。ただがっかりしている。でも、まだ事態は変わるかもしれない。トンネルのサービス通路を歩くのが一番の希望だ」とカールさん。もし泳ぎに成功すれば、最後はハルの実家まで歩いてゴール。28年越しの帰還劇、あと一歩でフィナーレを迎えられるか——世界中がその結末を見守っている。
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