南極の深海生物が皮膚がん治療のカギになるってマジ?
南極の氷の下に、メラノーマ(皮膚がん)の特効薬になるかもしれない奇妙な生物が潜んでいる。米サウスフロリダ大学の研究チームが、6週間の南極遠征から戻ってきた。彼らが探していたのは「ホヤ(ascidian)」の一種。この生物の体内に住むバクテリアが、なんとメラノーマのがん細胞だけを殺し、正常な人間の細胞には無害な毒素を生産するんだとか。
化学のベイカー教授いわく「この選択性は薬の開発において極めて重要。患者を傷つけずに病気だけを治療したいからね」。彼は何十年も南極で海洋生物の薬効を研究してきて、すでにマラリアや抗生物質耐性菌に効く化合物の特許も取得している。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon 遠征では、ベン・マイスター潜水安全責任者と博士研究員のサム・アフロウスが実際に潜ってサンプル採集。水深60〜80フィート(約18〜24メートル)の急斜面に張り付くホヤたちを狙って、1回25〜35分のダイビングを繰り返した。氷やアザラシ、変化する海況、視界不良…。「すべてのダイブは安全と作業のバランスを慎重に計画する必要がある」とマイスター氏。
南極は数百万年にわたって地理的・環境的に隔離されてきたため、独自進化を遂げた生物の宝庫。「この環境に適応したホヤは他では見つからない」とベイカー教授。今回の遠征では、メラノーマを殺すバクテリアがどの程度広がっているか、ホヤ体内でどう生きているかを調査。さらに深い場所は遠隔操作ロボットを投入して探った。
これからが本番。採集した標本は遺伝学・化学・生物学の専門チームが分析し、化合物の理解を深める。薬になるまでには何ヶ月、いや何年もかかる見込みだけど、「この化合物の源と機能を理解することが、将来の薬開発につながる」と教授は意気込む。ホヤの体内でバクテリアがどう共生しているかを知れば、極限環境の生態系理解も進むし、医療にも役立つ。一石二鳥ってわけだ。
遠征隊が潜っている間、周りにはウミグモやら何やら南極らしい生き物もチラホラ。地球で一番過酷な場所のひとつで、人間は25分しかもたないのに、ホヤは平気でへばりついてるんだから、生命のたくましさよ。
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